住めば都(1) | たからしげるブログ

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つれづれ思うことどもを不定期で発信しています。

 わが家は、千葉県市原市の小高い丘の上に建つマンションの三階にあります。


 かつて新聞記者をしていたとき、同県木更津市の通信部という職場に配属になって、三年半ほど勤めました。


 通信部とは、地方にある支局にニュースを集めるための、支局の下部組織として、その地方の各地に設置された「最前線のニュース基地」とでもいえばいいでしょうか。


 通信部員はたったひとりで、一日二十四時間、車一台とカメラ、筆記用具を武器に、自分の通信部が管轄するあちらこちらを走りまわり、その日のニュースをかき集めます。


 といっても、たいていは「田舎」と呼べるような地域にある職場(兼自宅)ですから、限りある新聞の紙面をにぎわすような大きなニュースとなるような事件や事故、催事などが、毎日発生するわけではありません。


 会社組織の一員でありながら、常に面倒な?上司の顔を見て過ごさなくてもいい「一国一城の主」として、いたってのんびりと、優雅な日々が送れる環境だったわけです。


 わが通信部の管轄地域は市原、木更津、袖ケ浦、君津、富津の全五市でした。


 当初は木更津市内にあった、集合住宅四階の通信部で、カミさんと、小学校就学前の娘の家族三人で過ごしていましたが、三年目になって、木更津市より千葉市よりにある市原市内に大きなマンションが建てられ、販売を開始したことを知りました。


 3LDKの一室を、頭金五十万円から入居できるといわれたのと、いつか自分の家を持ちたいと思っていた願望が刺激されました。


 そこは通信部の同じ管轄地域でしたから、後先も考えずに速攻で買ってしまいました。


 東京の本社勤務に異動となったのは、新居に住み始めてまもなくでした(泣)。


 その日から、朝は早起きして大手町までドア・ツー・ドアで片道約二時間という、苦難の長距離通勤が始まったのでした。

わが家の玄関のドアをあけると、とびこんでくる景色です。

 

通信部で働く父とその息子を主人公にした連作短編集が、1999年12月刊行のデビュー作になりました。第2巻『そっくり人間』ともども、とっくの昔に絶版になっていますけど。

 

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