いまを真剣に生きる | たからしげるブログ

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つれづれ思うことどもを不定期で発信しています。

 連休の後半、天気があまりにもよかったので、ふらりと散歩がてら、少し遠くにある知らない町まで足を延ばしてみました。


 車が行き交う大通りから少し逸れた小道の手前に、緑の生い茂る場所へと導かれる石段があったので、上っていきました。


 公園でもあるのだろうかと思っていたところ、見えてきたのは墓石の群れでした。


 人影はなく、辺りは町の喧騒を遮断するかのように静まり返っています。


 空はどこまでも青く、澄み渡っています。


 あと百年もたったら、いま、この地上に生きて、さまざまな暮らしを送っている人たちのほとんどが死に絶えているでしょう。


 子どもの頃に、テレビや本や雑誌や音楽や映画などで夢中になった人たちのことを思い起こしてみました。


 どれほどの数の名の知られた人たちが、いまはもうこの世にいないのでしょうか。


 時間の流れを、過去、現在、未来と考えると、この切なさが胸に込み上げてきます。


 ところが、過去と未来を切り捨てて、時間は現在しかないと考えたらどうでしょうか。


 いま、この瞬間の連続が現在です。


 過去も未来も存在しなければ、人の命の儚さを切なく思う気持ちが、静かに消えていきませんか?


 人間以外の動物の時間感覚は、生きている現在しかあり得ないようです。


 きのうボスから横取りされたバナナの一件を改めて思い出して悲しみに沈む猿とか、あした帰ってくる大好きなご主人との再会を夢見て幸せを感じる犬とか、いるでしょうか?


 年を取ると、過去の思い出にすがり始めて生きる人が多いようです。


 過去は過去、未来は未来で、いまはもう、あるいはまだ、どこにもありません。


 過ぎた時間やこれからくる時間に想いを馳せるのはもう止めて、いまという時間を真剣に生きていくことこそ肝心だと思います。