怪しい夢でした。
ぼくを指導しているのは、だいぶ年下の、学生とも思われる若い男性です。
これを見なさい、と言って持ってきた紙を開くと、採点が済んだテスト用紙でした。
点数は書いていませんが、ずいぶん悲惨な成績のようです。
中央にあって、赤字でバツになっているのは、「証明せよ」といった類の問題です。
数学の証明問題とは違うみたいです。
何を証明したらよいのでしょうか。
この世には、科学では証明できない事象がいくつもあります。
死後の世界はあるともないとも言われていますが、絶対にないとは、だれも証明できていません。
幽霊がいるとしたら、死後の生命、もしくは意識はあるということになりますが、幽霊そのものの存在は証明されていません。
予知というのは、これから起きる出来事を予め感知することで、当たったとしてもすべて偶然と言われればそれまでですが、絶対にできないとはだれも証明できていません。
この世界は仮想現実であることを、量子力学の観点から証明しようとしている科学者はいますが、完全な証明には至っていません。
この薬はよく効くと言われて、ただの栄養剤を服用しただけで、重篤な病気が快癒してしまうようなプラシボー効果のからくりも、証明できていないようです。
宇宙に果てがあるのかないのか、あるとしたらそれはどこにあるのか、ないとしたらどうなっているのか、理論を超えて実証されたことはまだありません。
時間を限りなく遡っていくと、宇宙の始まりにたどり着くのでしょうか?
それとも、限りなく遠い未来にたどり着くのでしょうか。
それとも、無限に包まれるのでしょうか。
証明する手立てはありません。