昔から不思議が好きです。
不思議を『広辞苑(第四版)』で引くと、「(不可思議の略)①思いはかられないこと。いぶかしいこと。あやしいこと。奇怪。②あやしく思う。不審の念を持つ」(一部略)とあります。
①の意味での不思議に興味を引かれます。
子どものころ不思議に思ったことはいくつもありましたが、中でも、空の向こうには何があるのだろう? と思うと、不思議な気持ちになって眠れませんでした。
大きくなって、空の向こうには宇宙が広がっているとわかりましたが、では、その宇宙の向こうには何があるのでしょうか?
文明を開化させた人類は大航海時代以降、海の向こうには何があるかを次々と発見していって、現在では、地球という惑星のほとんどの地域に人跡を残しています。
しかし、その目を宇宙に向けて見ると、人類が現実に人跡を残した場所と言えば、月しかありません。
それも、ほんの限られた場所だけです。
光は1秒間に(真空中を)約30万キロメートル進むとされています。
新幹線が普通に走っている速さを秒速70メートルとしたら、光はその約4286倍という、めちゃくちゃな速さになります。
それでも、月の光が地上に届くまでには1・3秒かかるのだとか。
太陽の光は、8分19秒かかるそうです。
太陽系が属する銀河系の、一番長い横幅に光を走らせると、端から端まで約10万年かかると言われています。
いくら長生きをしてもせいぜい100年ちょっとの人間は、たとえ光速でとぶ宇宙船を発明できたとしても、乗組員ひとりでは銀河系の外に飛び出していくことはできません。
宇宙は人間のためにあるとは思えません。
では、人間は何のためにこの宇宙にいるのでしょうか?